♬ Flying to New Orleans with pb ♬ – vol.3

一耳惚れ?教会で聴いた Davell は鳥肌もの!
 
 2013年12月、下調べもなくNew York、そして New Orleans へでかけた母娘旅。ニューオーリンズと言えば Mardigras、Jazz Fess で賑わうことは知っていたけれど、クリスマスのニューオーリンズもすごいことになっているのにビックリ!連日のように素晴らしいコンサートが開かれ、街を飾るクリスマス・イルミネイションとともに、否が応でもクリスマス・ムードを盛り上げているんです。
 
 「今夜、私達の通う教会でゴスペル・コンサートがあるんだけれど、一緒に行きませんか?」と初対面同然のカナちゃん(11月のツアーのガイド役)に誘われ、Franklin Avenue Baptist Churchへ。聞くところによると、12月になるとニューオーリンズのあちらこちらの教会や大学のホールなどで無料のクリスマス・コンサートが開かれるとのことで、もちろん、私達の出かけたコンサートもその一つでした。「えっ?タダなのにこの質の高さ!」出演するミュージシャンのレヴェルの高いこと!さすが New Orleans、心意気とプライドが半端ないです。
 
 この日、Davellは黒のスーツの正装で登場、グランド・ピアノの前に座ると「ゴメン、今日は喘息がでていて、あまり唄えないんだ。」と言ってピアノを弾き始めました。高い天井の会堂全体に響き渡る彼の演奏と歌は「うっそー、本当に体調悪いの?喘息?」と疑いたくなるほど、滑らかなピアノ・タッチ、そして声はスモーキーだけれど伸びやか。Allen Toussaint や Dr.John のあのドゥルン♬と引きずるピアノ・タッチだけれど、もっと都会的でJazzyな演奏、そして、Stevie Wonderを思い起こすような節回しのある彼の歌声に、私の口はあんぐり、体はゾゾゾッと鳥肌ものでした。
 
 昨年急逝したAllen Toussaint の葬儀のセカンド・ラインでは泣きじゃくるDavell の姿がカメラに映し出されていましたが、その直前の The Orpheum で行われた Tribute https://www.youtube.com/watch?v=IA5ISGDFIKU では、Southern Nights をソロで演奏した後、親交のある Irma Thomas のバック演奏も務めたことはみなさんもご覧になったのでは? 
 
 今やDavell Crawford がAllen Toussaint の後を引き継いで行くことになるだろうとのこと。そんな彼の最近のアルバム、My Gift To You でも、彼はSouthern Nights をカヴァーしています。Allen Toussaint の奏でるSouthern Nights が夕陽が沈み夜の帳が降りたミシシッピ川なら、Davell の Southern Nights は空が白み始めた夜明けのミシシッピ川を連想せずにはいられない滑らかで軽やかなピアノ・タッチ。まるでピアノが彼の体の一部になっているみたい!